先日、初めて東京国立近代美術館へ行きました。
そこで出会ったブリジット・ライリーさんの「讃歌」という作品に魅了されました。
今回は、この作品の模写をしようと思います。
東京国立近代美術館
東京国立近代美術館は、近現代の日本の作品を中心に、同時代の海外作品なども合わせ展示されている美術館です。通称は、MOMAT(national Museum of Modern Art , Tokyo)です。
場所は皇居の北側です。
私は東京駅から皇居をぐるりと散歩しながら向かいました。
私がこの美術館へ行ったのは2023年12月でした。そのころ建物の上に「宇和島駅」と書かれた大きなネオンサインが掲げられていて「ここは美術館なの?それとも駅なの?」と惑わされました。
実際はこのネオンサインそのものがアート作品であることを知って、作品のみならず展示の規模や方法、美術館の寛大さに驚かされました。
ブリジット・ライリーさん(Bridget Riley)
ブリジット・ライリーさんは、イギリス人の女性画家です。
「オプ・アート」の第一人者といわれています。「オプ・アート」とは目の錯覚に訴える絵画のことです。
例えば、動いていないのに動いているように見えたり、描かれていない色が見えたりする絵画のことです。
彼女のカラフルなストライプのシリーズは、誰しも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
なお、この美術館には写真家松本路子さんの作品が展示されていて、その中にブリジット・ライリーさんの姿を撮影した写真作品がありました。
美術館へ行った際は、ぜひ探してみてください。
作品名「賛歌」(原題:Paean)
1973年(昭和48年)制作。
巨大なキャンバスに描かれたたくさんのストライプ。
サイズは約3メートル四方。
その絵を観ていると、自分がだけが別の世界にいるような不思議な感覚になります。
もしもタイムスリップするときはこの世界を通り抜けるのかなと思わせるような作品でした。
「1970(昭和45)年前後の7年間、ライリーは色彩の探求に適した形式として、ストライプのシリーズを制作します。」「赤、青、緑の三色の帯は波打つように動き出します。さらにオレンジ、黄緑、灰色といった、物理的には存在しないはずの色が、ヴァーチャルな奥行きのなかに出現してきます。」
(※東京国立近代美術館 同作品の説明文より引用させていただきました。)
たった3色で描かれた作品ですが、さまざまな色を感じることができます。
実物を見る機会があれば、何色見えるか数えてみてください。
「賛歌」模写の制作
「讃歌」を模写します。
とは言っても、私には筆を使って絵を描く能力がありません。
そこで表計算ソフトの「Excel」を使ってパソコンで描こうと思います。
愚行なのかも知れませんが、作品を理解するための方法として少しは有効だと思います。
作品の分析
最初に絵をじっくり観察しました。
次のことが分かりました。
・使われている色は、赤、青、緑の3色のみ
・3本で一組のストライプが52組ある
・いずれの組も2色からなり、ひとつの色がもうひとつの色を挟むように並んでいる
・組と組との間には白色のストライプが入っている
制作
①組数を数えるために各組に番号をつけました。
※順に番号を付けて行くと、1番から52番まででつけることができました。
②Excelの各セルを正方形にしました。(各辺30pxとしました)
③Excelの頭の行に組の番号を書きました。
④絵を見ながら番号順に色を落としていきました。
⑤組と組との間に白色のセルを入れていきました。(60px)
※白色のストライプは、ほかのストライプに比べて約2倍の太さでした。
太さは60pxにしました。
⑥セルのコピーで列の色を伸ばしました。
⑦最初に書いた番号などを消して、完成です。
まとめ
Excelの画面でも目が錯覚して、単純に色を落としていく作業すら困難に感じました。
たった3色なのですが別の色が入っているように見えてきて、何度も確認しながら進めました。
実際の作品は約3メートル四方なので、ライリーさんはもしかしたら催眠状態で制作していたのかも知れませんね。(実際にペイントしたのはお弟子さんという話もあります)
言葉では、たった3色の直線だけの作品と端的に表現できますが、ライリーさんの実物の絵は脳の複雑な感性を搔き乱すような作品だと感じました。
I respect you , Bridget RiLey .
From B.B.san
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